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リネン布によるエコセメント化施設周辺の放射能汚染調査の顛末 [調査レポート]

『たまあじさいの会』は毎月の第二土曜日に、数名でエコセメント化施設周辺、二ツ塚・馬引き沢の空間放射線量を計測している。低いところでは0.050μSv/hから高いところでは0.200μSv/を超えるところもある。この放射線量がフクシマ原発事故に直接由来するものだけならば、セシウムの半減期等から徐々に減衰してゆくべきなのだろうが、測定の結果はそうではない。工場周辺の放射線量は、エコセメント工場からあらたに、二次的に供給されているのではないだろうか。


 この測定の結果から類推して、つまりエコセメント工場から放出される排出ガスの中に放射性物質が含まれているとすると、その周辺の住民が呼吸することで身体の内部被爆を受けている恐れはないだろうか。人間は毎日、大量の空気(一日15立米、四畳半の部屋の量)を吸引する。工場周辺の大気に浮遊している放射性物質を、実際に空気中で補足できれば、3年前の福島第一からの直撃だけではない、あらたな放射性物質のばら撒き、現在進行形の汚染の実態が証明できるだろうと考えた。処分場周辺の大気から抽出したものをフランスの市民運動グループより寄贈されたちくりん舎のゲルマニュウム測定器によって測定すれば、汚染の実態を精密に正確に実証することができよう。



 エコセメント工場周辺に浮遊しているであろう放射性物質を空気から抽出ことはなかなか難しい。大量の空気を吸引し、フィルターで浮遊物質を捕捉する方法があるが、もっと簡易に手軽に出来る方法はないだろうか。浮遊物質を風の流れに、夜霧や朝露に溶けたものを、また降雨と一緒に何かに吸収・吸着できれば面白い。そこで吸湿・発散にすぐれた天然繊維(合繊より多孔質であるから吸着も良い)のリネンを使用してみることにした。リネンの布にエコセメント工場周辺の空気を呼吸してもらうのである。

たまたま自宅に、横148cm x 縦144cm 重量350グラムの未漂白の生成りのリネン(亜麻)の生地があったのでこれを利用することにした。
この布地を横に四等分して、148cm x 36cm 重量87.5グラムを四本を得て、A,B,C,D と印をつけて、Aは、エコセメント化施設北側尾根道の木立に吊るし、Bは、エコセメント化施設北側尾根フェンス上、Cは、青梅市柚木町の自宅のフェンス(工場から5.6km)に括りつけ、Dは自宅内にバック・グラウンドのサンプルとして保管した。設置にあたっては、リネンBとリネンCをフェンスに置く前処理として、綿のタオルを濡らしてよく拭いて、埃を拭い去ってから設置した。



測定期間:
2014年3月23日より、4月6日までの15日間

当初より2~3週間、風雨・露に曝す。その間一・二度の降雨と南風(施設の北側にあるゆえ)を期待し、空気中の(汚染)浮遊・沈降物質をキャッチしたかった。



測定結果: セシウム137に限って(検出下限値2:単位Bq/kg ちくりん舎による)
リネンA: 7
リネンB: 6
リネンC: ND
リネンD: ND



 こんな簡単な測定でも、恐ろしいことに処分場から放射性物質は大気中に放散されている事実が証明された。『処分場の煙突からの排ガスはバグ・フィルター、集塵機でクリーニングされているので汚染物質は排出されない』、というのは真っ赤な嘘だった。リネンの布地をたったの二週間風雨に曝しただけで、処分場周辺と西に5.6キロ離れた自宅での結果には顕著な差異が現れた。この汚染レベルが『直ちに危険』なのかどうかは判らない。しかし、日々新たに処分場から放射性物質は排出されているのである。カナリアを鉱山に入れたら毒ガスの濃度は判らないものの、死んだのは事実である。その原因を追求することなく、坑夫を利益追求のためだけに、ヤマに投入するのが許されるのだろうか。間違いが判明したら、それに対して即時に、柔軟に誠実に対応できないのであろうか。行政は、広域資源循環組合であろうと、その目的は地域の住民の健康と福利厚生に奉仕する以外の何なのであろう。そこに放射性物質が毎日排出されている事実があるならば、その全貌を正確に把握するべく、排出ガスや処分場内に漂う空気も専門家に依頼して徹底的に分析して、そしてその事実を公表することを求めたい。



 さもなくばエコセメント化施設周辺の住民は、カナリアが死ぬ程度に汚染されている鉱山の坑道に、収益目的で投入される足尾鉱山の坑夫と変わりはない程に軽視されている。今は明治時代ではなくて、住民すなわち国民が主権者の世の中なのにである。


                           古澤

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